第229回『お客様のためになる価値を届ける』



<今日のポイント>

 お客様の好きなことを提供することも大事なコトです。

 しかし、もっと大切なコトは、お客様が気づいていないお客様のためになる価値を提供することです。

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 価値提供も、どのような視点で実施するかという人材育成がとても重要です。

 お客様が言っているから、お客様が求めているからという、お客様の声に応える視点も大事なことですが、その期待を超える『どうしたらもっとお客様のお役に立てるか』というコトの視点が無ければ、新たな価値は生み出せません。

 今回のコラムでは、お客様により良い価値を届けるための視点の人材育成について書いております。

 ぜひお時間を作ってお読み頂ければ幸いです。

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 『何を、誰に、どのように』というマーケティングの基本を考える際に、この根底にある教育がとても重要になってきます。

 『何を、誰に、どのように』の『何を』の中には、“どんな価値のもの”という根底があります。

 その“価値”レベルによって、自社のお役立ちレベルが変わっていきます。


 社内で乱用される言葉の一つに、「お客様が言っているから」「お客様からの要望で」「お客様が・・・・・・」と、伝家の宝刀のように、自分の発言を正当化するために使われるケースの多い言葉です。


 実際に、お客様の声に対してお応えしていくことも大事なことです。

 もちろん改善向上していくべきことですが、これは顕在ニーズなので、お客様満足には近づくものですが、期待を超える思考方法にはなりません。

 この視点で物事を考える人材育成に加えて、さらに期待を超えていくための視点というか思考を教育していく必要があります。

 この教育が為されなければ、お客様に対する新たな価値を提供することはできません。

 もっと言うと、この教育が無いから組織の中にはびこる好ましくない発言があります。

 特に上司の方は注意が必要で、「実施事例はあるのか?」「それが上手くいく証拠や根拠は?」などの言葉で、失敗したくない・自己保身のためのようなことを部下に言ってしまうものです。

 これを繰り返すと、部下からの発言はどんどん減っていきます。

 このような発言がはびこれば、アイデアや可能性に挑戦する風土は失われていく怖い言葉です。


 このようなことが起こらないようにするには、話し合う内容が違う3つの価値視点を社内で共有する教育です。

 事例や根拠があるものは、それを活用して応用すれば良いのですが、新たな価値創造に関しては、自社が生み出していくものなのでテストマーケティングの段階が必要なものになります。

 事例や根拠を『これから』積み重ねていくので、話し合いの内容も変わります。

 3つの価値視点とは、

1.認知価値

 これは、お客様が既に知っている価値で、居酒屋に行けばビールがあるというものです。

 この価値の期待に応えないと、当たり前ですが不平不満やクレームの対象になります。

 当たり前のこととして提供するべき価値です。

 この価値を高めるには、商品やサービスの品質や、他社にないレベルを目指した改善向上をしていくことになります。

 同じビールだが、グラスが良いとか、グラスを冷やすとか、期待を少しでも超えていくプラス1の話し合いになります。


2.認知不表現価値

 これは、お客様は期待しているし、認識しているが、表現されていないものや、表現しにくい、表現できない価値になります。

 心の中では、「もっと○○して欲しい」と思っているが、そこまでは期待していない(諦めている)ことも含まれます。

 お店の対応が、期待以上に『自分を大切にしてくれた』ことや、『自分が心では求めていたことを実施してくれた』など、満足度レベルを高める価値になります。

 これは、声なき声を想像して、挑戦していく段階の話し合いになります。


3.未認知不表現価値

 お客様が気づいていないので、表現もされていない価値です。

 これは、お客様の声としても上がってきません。

 よって、お客様が好きなことや望むことを話し合う価値ではありません。

 お客様のためになる価値はどんなものかをアイデア段階から考えていく価値になります。

 これが他社との違いや差別化レベルを一気に高めるものになっていきますし、お客様が知ったら大きな喜びにつながる可能性のものになります。

 この話し合いをする際は、事例や証拠をこれから作るものになるので、それを踏まえた『価値づくりの4ステップ思考技術』で、価値の可能性を探る必要があります。



 このように、お客様に喜んでいただくための人材育成というのは、視点や見方まで教育していかなければ、働く人が自ら気づくまでに途方もない時間がかかります。

 ちなみに、この視点を社内に活かせば、それぞれの人材が他の人に対して価値を届ける行動にも応用していけます。

 お客様のためになる価値は?

 仲間のためになる価値は?

 そのための自分の行動は?


 人材育成と言っても幅がとても広いのですが、『価値』というものを知ることで、人間力も同時に高める教育になっていきます。

 お役立ち=価値提供=自社の魅力

 仲間へのお役立ち=価値提供=自分の魅力

 良い価値=相手にとって有り難いコト=自分の人間力

 というものです。

 会社が元気になるというのは、世の中を元気にしていくことにつながります。

 『教育は、全ての業務に優先する』ことです。