第234回『選ばれるための体験価値を作るには』



<今日のポイント>

 お客様が商品やサービスを、『購入する前、購入する時、購入した後』のそれぞれで、どんな体験と価値を感じるか。

 選ばれリピートして頂くための体験価値は、3つのステージに分かれます。

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 モノ消費でも、コト消費でも、それらの商品やサービスを通じた体験価値が必ずあります。

 『事前・その時・事後』の3つのステージで、お客様が体験する価値をイメージして自社の取組を考えることが、選ばれてリピートして頂くための方法になります。

 今日は3つのステージについて考えていく為のヒントを書いております。

 ぜひお時間を作ってお読み頂ければ幸いです。

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 とても残念なことがありました。

 コラムでも何度か書いたと思いますが、私が利用している駅の売店にいた素敵なスタッフの方がいなくなってしまいました。

 人事異動なのか、辞めてしまったのか?

 今度行ったときに聞いてみようと思います。


 このスタッフの方が居たから、商品は同じでもこちらの売店を利用していたのですが、残念なことに社員証をつけたスタッフの方の応対があまりよくないです。

 この売店で購入する時の私にとっての体験価値は、『知ってくれている・分かってくれている・大事にしてくれている・元気にしてくれる』という、素晴らしいものでした。

 社員の方の応対が悪いわけではありませんが、認知価値(すでに知っていて期待している価値)が高かった私には、とても暗い接客に感じてしまいました。


 リピート段階になると、駅の売店に行くまでの【頭の中の体験価値】【購入時の体験価値】【購入後の体験価値】という3段階のステージに分かれます。

 売店に行く前に、素敵なスタッフの方が居るかをイメージして、過去の体験価値を思い出します。

 居た場合、購入時にいつもの応対で体験価値を感じさせてくれます。

 そして、購入後もいつも通り、元気になるような声掛けで送り出してくれます。

 接客を良くするとは、商売の種類に応じて、【前・今・後】の体験価値を良くするものです。

 この相手がどんな体験と価値を感じるかを無視して、良い接客を作る出すことはできません。



 モノを買うステップも3つのステージに分かれます。

 事前の告知(チラシ・カタログ・ネット・・・)などで、目的のモノを探す場合もあれば、お店に行って直接探す場合もあります。

 いずれにしても、購入前に目的のモノの良さ(価値)をお客様の“頭の中”にイメージしていただく体験価値が必要です。

 そして、購入時はスタッフの応対や、モノをさらに欲しくなる提案などの体験価値を届けます。

 モノの種類にもよりますが、アフターサービスやモノが壊れないという体験価値まで含めて総合的なお客様の『体験価値』をイメージして届けるからこそ、選ばれてリピートして頂ける可能性が高まります。


 日本の品質の高さというのは、お客様の利用している状況の体験価値まで考えた商品だと言えます。

 買った後に壊れてしまったという体験による価値はマイナスのものになります。

 公共施設などで、自分が使った後、次に使う人のことを考えるというものも、体験価値の視点でイメージできるからこそ、徳のある行動ができるようになります。

 日本では昔からある『体験価値』の視点ですが、今の現状を見るとせっかくの教えがもったいない気がします。



 少し話が横にそれましたが、選ばれるための体験価値を作るというのは、お客様の体験価値を【前・今・後】という3つのステージで考えて施策を準備するというものです。

 3つのステージを日常で応用するという訓練を行うと、仕事の場面でも3つのステージに応じた体験価値を作る技術が高まります。

 日常で応用するというのは、難しく考える必要はありません。


 例えば、前から来る人とすれ違う場面があったとします。

 細い道であれば、すれ違う前にお互いが気付きます。

 その際、【前】の体験価値として、自分がよけるであろう方向に少し寄って歩くことで、相手には『寄ってくれた』という体験価値が届きます。

 すれ違う【今】の体験価値としては、当然ですがぶつからないように体を避けて、小さな声でも良いので「有難うございます」と伝えると、『避けてくれて、気遣ってくれた』という体験価値が届きます。

 そして、【後】の体験価値は、【前・今】の体験価値によって、気分が良くなるということがイメージできます。


 また、飲食店を利用する立場でも、【今・後】は考えられます。

 利用しているときに、スタッフの方にどんな体験価値を届けるか。

 利用後に、机がきれいに片付いているなど、スタッフの方の片付けの体験価値も届けられます。

 このように、普段の日常から3つのステージで体験価値を考えることで、自社の取組も応用していけます。


 3つのステージで考えて見ると、自社の取組で不足してるものも見えてきます。

 指導や教育に関しても、“なぜ、そうする必要があるのか”ということを明確に伝えることもできます。

 3つのステージを働く方が理解することで、事前の準備から、事後のサポートまで手を抜かずに考えて行動することも可能になります。