第237回『魅力的な人材を育成する“コト視点の価値づくり”』



<今日のポイント>

 お客様に選ばれるための魅力的な企業づくり。

 これを目指す考え方は、魅力的な人材になる考え方でもあります。

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 魅力的な人材育成を目指すには、“魅力”というものを理解して実践で再現していく方法を知る必要があります。

 今回は、“魅力”についての考え方と、企業が魅力的になる方法について書いております。

 ぜひお時間を作ってお読み頂ければ幸いです。

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 “魅力”という言葉は、誰もが使ったことのあるものだと思います。

 魅力的な人

 魅力のある企業

 魅力的な人になりたい

 誰もが知っている言葉というものは、時として分かっている気になってしまいがちです。


 答えられる方は良いのですが、実際に私がクライアント様で“魅力とは?”という質問をさせて頂いたとき、答えられる方はほとんどいません。

 魅力的な企業を目指していながら、“魅力”が何なのか分からなければ再現性があるとは言えません。

 もちろん、説明は出来なくても“魅力”は感覚的に分かっているものなのですが、説明できなければ、どんな魅力的な企業を目指していくかが曖昧になってしまいます。


 そこで、 “魅力”を辞書で調べると、

 『人を惹きつけて夢中にさせる力』

 『人の心を惹きつけるような力のあるさま』

 このように書いてあります。


 残念ながら、これでは再現することができません。

 カギとなるポイントは、『惹きつける』という部分になります。

 どうやって『惹きつける』かが、“魅力とは?”の答えになり、その答えが分かって初めて再現性のある魅力づくりが可能になります。


 “コト視点の価値づくり”は、お客様やお相手の体験の中で価値を提供して、魅力的になっていくものです。

 ここで新たな質問が出てきます。

 “価値とは何か?”です。

 価値という言葉も、当たり前のように使われているのですが、感覚的に分かっていても、言葉として説明できなければ人材育成にも企業活動にも活用していけません。


 またまた“価値”を辞書で調べると、

 『その事物がどのくらい役に立つかの度合い。値打ち。』

 このように書かれています。


 ポイントは、『役立つ度合い』の部分になりますが、この『役立つ』ためのものが“価値”になるので、これも辞書ではよくわからない感じです。

 “価値”と“魅力”が分からなければ、お役立ちも曖昧になってしまいます。


 まず“価値とは?”

 価値とは、【人が望むコト・求めるコトを満たすことができるときに感じるもの】です。

 喉がカラカラで、水を求めているときに頂く、一杯のお水はとても価値を感じます。

 暑い日には、言葉にしていなくても涼しい場所を求めます。

 このような時は、エアコンの利いた涼しい場所や、木の木陰などに価値を感じます。

 顕在的にも、潜在的にも、望むコトや求めるコトを満たす可能性がある物事に価値を感じるというものです。


 次に“魅力とは?”

 これは簡単で、価値を感じているときに、その対象に対して魅力を感じる状態になります。

 価値を感じるから、魅力的に映るというものです。

 これが辞書に書いてある『惹きつける』の答えになります。

 求めていることを満たす可能性があるから、価値を感じて惹きつけられるということです。


 よって、企業がお客様に“お役立ち”していくには、自社の事業を通じて、お客様に『より好ましい価値を提供していく』ことになります。

 そして、『提供された価値』がお客様にとって必要なものであれば、それは魅力的になり、その魅力を届けてくれる企業も魅力的になっていきます。



 これは魅力的な人材を育成することにも活用できます。

 お客様により高いレベルでお役立ちをするために、自らの行動で価値を届けられる人材。

 自ら率先して行動する人材。

 明るく元気に挨拶をする人材。

 ほかにも身につけてほしい魅力は沢山ありますが、お客様や仲間が喜ぶとき、そこには必ず何かしらの“価値”が存在しています。

 この“価値”を自らの行動で発する時、相手にとっては魅力的に映ります。

 魅力的な人材育成とは、自らの行動で価値を届けられる人材ということになります。


 そして、価値提供は3つの視点で考える必要があります。

 それは、提供する価値の種類が、『当たり前レベルの価値・顧客満足レベルの価値・顧客感動レベルの価値』と分けられるからです。

 “感動”という言葉は素晴らしいのですが、どんな価値が感動レベルなのかを社内共有していないと、お涙的な感動物語に流れがちです。


 価値提供の3つの視点とは、

1.認知価値(当たり前レベルの価値)

 お客様が既に分かっている価値です。

 コンビニに行けばお水が買える、コーヒーが買えるなど、自分に必要な価値がどこで手に入るか分かっているものです。

 居酒屋であれば、ビールやハイボールが飲めるというものです。

 ここで注意が必要なのは、お客様の中で認知している価値レベルが高いと、普通の接客でも不平不満につながる可能性があります。

 よって、当たり前レベルの価値は、期待を超えるレベルを目指した価値提供にしていく努力が必要です。


2.認知不表現価値(顧客満足レベルの価値)

 お客様が認知しているが、表現していないか表現しにくい価値です。

 例えば、ビールのジョッキをキンキンに冷やして出しているお店があります。

 すべてのお店がそうしているわけではないので、知っていても期待はしていないが、たまたま入ったお店で同じようなことをしていた場合は、満足度が上がります。

 接客などでも、知っているが期待していないレベルのことなので表現もしませんが、お客様を大事にするレベルが高ければ満足度も上がります。

 さらに、言葉では言いにくいものがあり、夫婦関係で『もっと大事にしてほしい』などがあります。

 面と向かってなかなか言えないことですが、ご主人が察して大事にする行動をしたら、奥様の満足度が高まります。


3.未認不表現価値(顧客感動レベルの価値)

 気付いていないので表現もしていない価値だが、気づかされると大きな喜びや嬉しさにつながる価値です。

 期待も想像もしていなかったが、気づかされると大きな喜びにつながったり、感心したりするレベルの価値です。

 「えっ!こんなことが出来るんだ!」

 「ここまでやるか!」

 「こんなに便利だったんだ!」

 このような気持ちになる価値が、感動レベルになります。


 そして、コト視点の価値づくりでお伝えする“価値づくりの4ステップ”などの思考技術で、自社や働く人の行動を価値視点で見直していくことで、再現性のある魅力づくりが可能になります。

 全社員・全スタッフが、魅力づくりができるようになれば、お客様に対してだけでなく、スタッフの方々の家族や一緒に働く仲間に対しても、自らの行動で価値が届けていけます。

 届けた価値は、届けた人の魅力になっていきます。

 強い組織、魅力的な人材が集まる組織、魅力づくりが出来る組織。

 古典での表現であれば、世の中のお役立ち(価値提供=魅力)というのは、“徳”の行動になります。

 人間力という難しく思われることも、同時に知ることが出来る内容です。


 余談ですが、詳しくはお気軽にお問い合わせくださいませ。

 良い人材と呼ばれる人の人材育成を目指すことが可能になります。