第243回『根本的な欲求を探る価値思考』



<今日のポイント>

 お客様が表面的に発する言葉の背景には、根本的な欲求が隠されています。

 根本的な欲求を満たす価値提供が、自社が選ばれるための差別化につながります。

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 表面的な言葉の背景に隠される根本欲求。

 これを探らなければ、お客様に選ばれるための価値提供はできません。

 今回のコラムでは、普段から根本欲求を探る為の考え方を書いております。

 根本欲求を探るというのは、思いやりの心にもつながります。

 ぜひお時間を作ってお読み頂ければ幸いです。

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 「水が飲みたい!」

 表現では水を求めているので、水を提供することが価値ある行動に思われますが、水を求めるのは根本欲求を満たすためになります。


 どうして水が飲みたいのか?

 という当たり前のことです。


 喉が渇いたのか?

 薬を飲みたいのか?

 暑いのか?


 このような単純な例でも、根本欲求によって『水』の提供の仕方が変わります。

 常温なのか、冷たいものか、白湯なのか。

 量はどれくらい必要か。

 お客様が「薬を飲むのでお水をもらえますか?」という理由を言って下さればいいのですが、実際のビジネスにおいては聞こえない声を探り必要があります。


 男性が美容室に行くのは、単に髪の毛を切りたいからではありません。

 カッコ良くしたいという欲求はあくまでも目的を果たすための手段になります。

 根本欲求は、仕事をする上で、良い印象になる身だしなみやヘアースタイルが必要なのか、モテたいからなのか。


 夫婦喧嘩で起こりがちなのは、「何度も同じことを言わせないで!」というものであったり、「遅くなる時は連絡してほしい」ということをやらなかったり。

 これは根本的な欲求となる価値観にも関わってきます。

 まず、約束を守らないというのは、守らない本人は“たいしたことではない”と思っているかもしれませんが、約束を守るというのは【相手を大切にする】という、相手にとっての価値があります。

 価値観とは、自分が大切にする思いという表現がしっくりきます。

 自分が大切にしているモノやコト、思いを軽く扱われたら腹が立って当然です。

 特に、【大切にされる】という価値は人の存在欲求を満たすものになります。

 約束や決め事を守るというのは、思いやりによって相手を大切にする行動にもなります。


 よく、「お客様が言っているから」ということを、伝家の宝刀でも抜くように言う場合があります。

 言っていることは事実であったとしても、それがそのまま根本欲求かというとそうではありません。


 先日、美容室でお店の方に話しかけられたいか、話しかけられたくないかという番組がありました。

 街頭インタビューでどちらが多いかをやっていましたが、傾向を知らなくても根本的な欲求を探る思考を普段から鍛えていれば、来店されたお客様に臨機応変の対応ができるものになります。

 根本欲求の仮説の量が、臨機応変に対応するパターンになるからです。

 この根本欲求に対する応対は、細やかな気配りや気が利くなどの思いやりにつながっていきます。

 お客様から『いいね!』を頂く可能性が高まります。


 根本的な欲求を探る価値思考の方法は、【目的】や【背景】を『見る・知ろうとする・考える』訓練を普段から行うことです。

 普段からということは、職場では同僚・上司・部下に対する思いやりというものになっていきます。

 『人様のお役に立っていく』というものが、仕事の上では一番大事なものなので、お役に立つためにも根本的な欲求を探る価値思考の教育は必須です。

 当たり前のようですが、この思考の人材が多ければ多いほど、お客様には差別化価値を届ける量が増え、仲間同士では協力し合えるチームになっていきます。