第266回『コト視点の価値でモノやサービスを売る』



<今日のポイント>

 モノの差別化がしにくいのであれば、そのモノによって得られるコトの視点でモノの価値を見直す。

 お客様にとって価値あるコトが購買意欲を高めます。

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 お客様にとってのバリュー(価値)を伝える価値提案営業。

 お客様がどんな体験価値を手に入れられるかを考えることで、同じモノやサービスでも価値あるものとして提案していけます。

 今回のコラムでは、価値提案営業の事例について書いております。

 ぜひお時間を作ってお読み頂ければ幸いです。

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 ロングセラーとなっている永谷園のお茶漬け。

 多くの人が大好き?なお茶漬けですが、しばらく買わなかったりすると忘れてしまいます。

 ロングセラーの商品といえども、企業は買って頂く努力をし続けています。


 永谷園のホームページを見ると、お茶漬けのアレンジレシピが掲載されています。

 おいしそうなアレンジ。

 面白そうなアレンジ。

 便利なアレンジ。

 お客様がこのような気持ちになるアレンジという、いろんな体験価値の提案によって、「買いたい」という欲求を刺激しています。

 これが、「どんな素材で、どんな味で・・・」という商品説明をされても、買いたくなりません。

 ワクワクするような新しい体験の中に、買いたくなる価値が表現されているからこそ、再度の購買意欲を高めます。



 『速い子はより速く、苦手な子には“夢”を』

 これは発売から15年のアキレスの瞬足です。

 子供たちが履くとワクワクするようなシューズを目指した、左右非対称性ソールのシューズです。

 もう15年もたつロングセラー商品です。

 『速い子はより速く』という、体験価値提案。

 苦手な子だって速くなりたいしがんばりたい気持ちがあります。

 そんな子の背中を押してくれる、『苦手な子には“夢”を』という体験価値提案。

 子供たちがワクワクするような価値あるコト視点の提案です。

 もちろん、親が購買決定者なので、親も子供の笑顔やがんばりを想像できるコト視点の価値があります。


 子供たちが楽しそうに遊ぶ姿が映った遊園地のコマーシャル。

 それを見た子供は、自分が体験して楽しくなる価値を感じます。

 ワクワクするコトがあるから、遊園地に行きたくなります。



 そもそも、『モノからコトへ』という表現がありますが、本来はコトの為にモノがあるという変わらぬ原則があります。

 モノ視点という、機能や性能の良さでは、モノ余りの飽和状態のときは売れません。

 だからこそ、『モノからコトへ』という表現になるとは思いますが、本来の原則(コトのためにモノがある)を忘れてしまうというのは、お客様にとっての価値を見失ってしまいます。


 自転車が欲しいのは、駅までの移動を楽に速くしたいという、コト視点の価値です。

 子供を乗せる自転車も増えていますが、お母さんの安全に子供を自転車に乗せたいという、コト視点の価値を満たすための自転車になり、そのコト価値を満たすための自転車の構造になっています。

 お店に商品を並べているだけでは購買意欲を高めることは出来ません。


 寒い日に、湯気の立つ鍋を楽しそうに囲んで食事をするワンシーンを見ると、「今日は鍋にしようかな」と思ったりします。

 鍋を囲んでの団欒というコト(体験)に、『温まる・楽しい会話・美味しい鍋・笑顔』というコトに価値があるからこそ、鍋にしたいという欲求を喚起してます。

 この価値提案営業で、お客様にとってのコト視点の価値を伝え、お客様が価値を感じるからこそモノやサービスを購入する気持ちが高まります。


 これは、職場で人から頼りにされるという結果を手に入れることも同じです。

 頼りにされるには、職場の仲間が体験するコトの価値を高める必要があります。

 「最近、○○君はよくやっているから、今度の仕事は任せよう」

 これは、モノやサービスを買う意欲と同じで、人材登用の意欲が起こっている状態です。

 普段から、好ましい体験価値を周囲に届けている人材だからこそ、頼りにされるという結果を手に入れられます。

 自社の商売、自分自身を通じて、お客様や周囲の仲間に“コト視点の価値”を届けるかを考えて行動するからこそ、『買っていただく』『頼りのされる』という結果が作れます。


 どんな価値ある体験がお客様に提案できるか。


 モノやサービスをお客様の体験と価値で想像していくと、同じ商品やサービスでもさまざまな価値提案営業が可能になります。

 ワクワクするような体験価値。

 助かるな~というような体験価値。

 お客様の日常を彩るような体験価値を届けていきましょう。