第271回『ランチェスター戦略とコト視点の価値づくり』



<今日のポイント>

 お客様に選ばれるには、選ばれるための差別化価値を競合他社よりも高めていくことが必須です。

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 勝ち抜くための戦い方であるランチェスター戦略は、上場企業だけでなく小さな企業でも活用して多くの実績を作り、事例も豊富な戦略です。

 ただし、その中で実践する際に重要なことは、しっかりと“戦術”に落とし込んでいく方法を応用するというものです。

 今回のコラムでは、ランチェスター戦略を実践に活かしていくための、コト視点の価値づくりによる差別化手法を書いております。

 ぜひお時間を作ってお読み頂ければ幸いです。

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 ランチェスター戦略を自社の商売に応用して結果を出していくには、描いた戦略を“戦術”に落とし込んでいく必要があります。

 ランチェスター戦略の応用が難しいと言われる部分です。

 実際に、ランチェスター戦略の書籍やセミナーなど勉強した方でも、自社の商売でどのように応用していけばいいか分からない、活用できていないというケースは見受けられます。

 私自身も応用範囲として得意な分野は、店舗型ビジネスになり、他の分野においてはランチェスター協会のインストラクターやコンサルタントの方の実践事例で学んでおります。

 実践事例や活用事例を学ぶ機会が多いので、世の中でヒットしているものや、企業間競争を見て更に応用視点を学ぶことが出来ます。

 ランチェスター戦略は市場の中での他社との戦いに勝っていくためのものですが、質問で「使えるか?」「使えないか?」ということを言われたりします。

 普通にビジネスをしていれば競争の中で戦っている現実があります。

 知らないから使っていない、使えていないだけで、勝ち方を知らないで戦うことは、自社の資源を無駄にするだけでなく、勝ち方を知っている競合他社にやられてしまいます。

 勝つ為の競争戦略をしらないと、「なぜ勝てたのか?」や「なぜ負けたのか?」も検証できないので、次の手を考えるできなくなります。



 さて、ランチェスター戦略を説明しだしたら、このコラムが書籍になってしまうので、説明は省きますが基本などは書籍やランチェスター協会のセミナーや講座で学んで頂ければと思います。

(もちろん、私もインストラクターであり、コンサルティングや研修で実施しておりますので、お問い合わせ頂ければ)


 ランチェスター戦略は、自社の今現在のシェアを基準に、市場での地位別の戦い方で、どのように勝っていくかを説いているものです。

 自社のリソースで、競合他社に勝っていくには、勝ち方の原則があるというものです。

 負けている状態であれば、基本は差別化戦略で、その中の五大戦法(局地戦・接近戦・一騎打ち戦・一点集中主義・陽動戦)で、小さな範囲で大きなシェア(部分でのシェアで勝つ)ことを目指します。

 その際、ランチェスター戦略の『3つの結論』である、【①足下の敵、攻撃の原則 ②No.1主義 ③一点集中主義】で、勝ち易きに勝つ状況で小さなNo.1を実現していくシナリオを描きます。

 全体での応用範囲は多岐にわたりますが、基本となる戦略を、どうやって自社の商売に応用して勝つ為の戦略にできるかが鍵になります。

 そして、部分のNo.1で、次の部分のNo.1へつなげていくという各個撃破が基本になります。



 さて、ランチェスター戦略の理論の中でも、戦術に落とし込む応用事例や方法などはありますが、自社が部分のNo.1を作るために強みとする【差別化価値】の作り方が、戦術に落とし込むには重要になります。

 お客様は常に相対評価です。

 私たちが商品やサービスを購入するときも、相対評価をしていると思います。

 相対評価ということは、他社よりも自社が選ばれるレベルの差別化価値が必要になり、この武器が作れなければ、戦略は絵に描いた餅になってしまいます。

 そこで、私が長年コンサルタントとして実施し、強み作りの方法として活用しているのが“コト視点の価値づくり”になります。

 経験価値や体験価値と言われるもので、お客様が経験や体験したりする“コト”の視点で、差別化価値を作る方法です。

 経験価値マーケティングという書籍(バーンド著)があります。

 とても良い本なので一読することをおすすめしますが、日本では昔からある視点だと私は思っています。

 思ってはいますが、再現性のある理論やフレームにしないと一部の人の感覚でやるものになってしまうので、「バーンズさんは素晴らしい書籍を書いたな~」と参考にさせて頂いております。

 そこから、私なりの『“コト視点の価値づくり”による差別化価値』を、誰でも作れるように再現性のあるカリキュラムにしております。

 余談でしたが、お客様にとって同業他社よりも価値あるコトを提案し、提供しなければ、勝つ為の戦いになりません。



 差別化価値を作る視点は、『お客様視点』で『お客様の体験を想像』し『そこに隠れた価値』を言語化していくというものです。

 簡単に書いていますが、実際にいろんな施策や取組みをしている企業様に、「これは何のために、どんな価値を届けるためにやっているのですか?」と聞いてみると、答えに詰まることが多々あります。

 お客様にとって、自社の商売で他社よりも上回る差別化価値が何かわからなければ、お客様に選ばれる武器が無い状態で何気なく実施していることになります。

 仮に、競合他社がランチェスター戦略を理解し、差別化価値になる武器をフル活用して戦ってきたら、何気なく戦っている自社がかなうわけありません。


 差別化価値は4C視点でも考えますが、私の場合は“5つのつながり”でも考えていきます。

 ①商品やサービスとのつながり

 ②スタッフや営業パーソンとのつながり

 ③自社や自店とのつながり

 ④地域と自社(自店)とのつながり

 ⑤コンセプトとのつながり


 この“5つのつながり”に加えて、

 Q(クオリティ)

 P(プライス)

 S(サービスやその他)

 という視点で、相対的に差別化価値を感じ、選ばれるかを武器として“コト視点の価値”で考えます。

 「こっちがいい!」と喜ばれるものでなければ選ばれません。


 今日は特別、もう一つ差別化価値を作る為の重要なポイントも書きます。

 価値づくり3つの視点です。

 ①認知価値

 お客様が知っているし当たり前に求める価値で、これが満たされないと不満になります。

 ②認知不表現価値

 お客様が知っているが、表現しにくい、表現できない、表現したくないが求めているもので、これを察して満たすと顧客満足度が高まります。

 ③未認知不表現価値

 お客様が気付いていないが、気付かされると大きな喜びになる価値で、この価値は顧客感動レベルになっていきます。

 (①~③は私の造語です)


 今回のコラムは長めになりましたが、勝つ為の戦略を知り、勝つ為の戦術に落とし込んで、『実際に勝つ』には、学ぶことが多岐にわたります。

 しかし、勝っている企業や人たちは、高いレベルでこれらを習得して実践し、失敗しながら『勝ちの精度』を高めています。

 このような企業や人と戦うのに、無手勝流では経験値で追いつけません。

 お客様を喜ばせる競争がビジネスであります。

 喜ばせ競争に勝ちを積み重ねていきましょう。