第274回『差別化をする日常からの心得』(後編)



<今日のポイント>

 差別化は他社を上回る価値提供レベルにあって、本当の差別化になります。

 その為には、価値のレベルを知る視点が必須となります。

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 先週の前編から引き続きの内容です。

 前回は4つの訓練でしたが、今回は差別化価値のレベルを高めるための視点であり基準となります。

 ぜひお時間を作ってお読み頂ければ幸いです。

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 『価値づくり3つの視点』が今回のテーマになります。

 前編での4つの訓練は、

1.「大切な存在」と確認してから接する

2.求めるコトや必要とするコトを探る

3.お相手の気持ちのゴールと、そうなる価値を届ける

4.プラスワンでお役立ち(価値提供)を考えて実践する

 というものでした。


 このようなことを日常から意識して実践することで、仕事の場面でも思考習慣として高いレベルで差別化の価値づくりをしていけます。

 自分たちは【強み・独自性・優位性】があると思っていても、お客様から見て「こっちがいい」という状態になっていないことがあります。

 そのようなことが起こる背景には、自分たちの方が良いと思いたい客観性に乏しい希望や、そもそも価値のレベルを考える視点が無いからです。

 他社とは違う『いいところ』を、差が区別できるレベルで実際に提供するからこそ選ばれます。

 そこを思い込みでやっていては、ビジネスとして“勝っていく”ことはできません。

 逆に、“勝ち切っていく”という強いマインドを持っている他社と戦う場合、やっているつもりで勝てるものではありません。


 そこで、そうならない為には、自分たちの提供価値を客観的に見ていく視点が必要になります。

 『価値づくり3つの視点』

 「お客様満足では足りない、感動レベルを目指そう!」

 このような掛け声は気持ちとしては大切です。

 もちろん目指すからこそ実現していけるものですから。

 しかし、顧客満足と顧客感動という違う言葉を、単なる“喜びの大きさ”という抽象的な捉え方では、どんな価値が感動レベルになるのか分かりません。

 分からないことは再現できません。

 たまたま再現できるかもしれませんが、これはビジネスとして【強み・独自性・優位性】という差別化を戦略的に作っていくことにはなりません。


 私がオリジナルで作った3つの視点ですが、ぜひ自社の取組みがどのレベルかを検証する参考にして頂ければと思います。

 併せて、前編の4つの訓練にも取り入れていけるものになります。

 では『価値づくり3つの視点』です。

(以前のコラムでも書いているので、覚えている方は復習としてお読みください)


 【価値づくり3つの視点】

1.認知価値

 お客様が知っていて、当然のごとく期待している価値。

 居酒屋に行けばビールがあるというものや、呼んだら返事をするという当たり前のことなども。

 子供を呼んでも返事をしないときは叱ると思います。

 これは、いけないことを教えるというものもありますが、同時に認知価値を満たされないのでイラッとします。

 認知価値が満たされないと不満が起こります。

 認知価値が満たされても、当たり前のレベルの価値となります。

 それでも、相手の予想を超える認知価値に関しては、満足度が上がる取組みも可能です。

 子供の返事であれば、いつもよりも大きな声でハキハキと気持ちのいい返事をしたときなどです。

 だだし、認知価値は体験によってお客様(お相手)の期待値も高くなるので、常に高いレベルの認知価値を目指す必要があります。

 これも突き抜けていくと、他社が真似しにくいレベルは目指せます。


2.認知不表現価値

 お客様は知っているし期待もしている(期待していないこともあります)が、『言えない・表現しにくい・あえて言いたくない』ものです。

 お店の人に、もっと自分の話を聴いて適切な商品を提案して欲しいと思っているが、自分ですらどのように表現したらいいか分からない状態。

 このような時に、お店の人が察知して適切な表現と提案をしてくれたとき、「そうそう!それが言いたかったんだよ!」と大きな喜びになります。

 また、安い居酒屋なので気遣いなどは期待していなかったが、価格に反して予想以上に素晴らしい気遣いをしてくれたときなども嬉しさが高まります。

 これが顧客満足度を高めるレベルの価値提供になります。

 もちろん、認知価値とセットでの価値提供で考えていく必要があります。


3.未認知不表現価値

 お客様は気付いていないので表現もされていないものです。

 知るコトや体験するコトで気付き、それに対して驚きや「凄い!」という気持ちになるものです。

 先日、スマホの便利な機能を教えてもらったときは、とても便利で「それ凄い!」という気持ちになりました。

 これが感動レベルの価値になります。

 認知不表現価値でも、表現していないものを察して、さらにその期待を大きく上回るレベルのものは感動レベルになります。

 1~3まで、きっちりとした線引きがあるものではありませんが、それぞれの基準があれば差別化価値のアイデアを出すときの視点になります。


 現状の取組みを、この3つの視点に振り分けると、自社の差別化レベルが把握していけます。

 同業他社を3つの視点で評価すると、他社の差別化レベルも把握していけます。

 日常の訓練であれば、1~3の視点と、各段階でのレベルを高めることを思考し続けることで、アンテナが高い状態になり、応用できるヒントが目に入ってきます。

 実践すれば実践結果が分かります。

 高いレベルの価値を届けるというのは、それだけ魅力度が高まるというもの。


 2回に分けてお伝えしましたが、自社(自分)が魅力的になっていくということは、組織づくりにも同様の考えで実施していけます。