第279回『勝ち方の法則(ランチェスター戦略)』

<今日のポイント>

 企業競争の勝敗は、自社と他社の力関係で決します。

 勝つ為には、お客様に選ばれるための力関係で上回る戦略が必須です。

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 企業競争というのは、シェア(お客様)の奪い合いという事実から目を背けることは出来ません。

 自社の商品やサービスを選んでもらうからこそ、給与の源泉となる売上や粗利が得られます。

 今回のコラムでは、勝ち方の法則であるランチェスター戦略の3つの結論について書いております。
 (武内臣介は、NPOランチェスター協会の正式な認定インストラクターです。2007年取得)

 ぜひお時間を作ってお読み頂ければ幸いです。

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 企業間競争というものは、市場における競合他社との戦いであり、これはお客様の奪い合いです。

 これには、新たな商品やサービスで新たな顧客を獲得していくことも含まれます。

 更に言えば、同業他社だけでなく代替産業との戦いという側面もあります。

 いずれにしても自社が勝っていくためには、お客様から見て相対的に良い商品やサービスを提供していく必要があります。


 私自身は店舗型サービス業(店舗型ビジネス)のようなお店にお客様が来て下さる商売のコンサルティングが専門ですが、市場のシェア争いは切り離せないものになります。

 これからの日本は人口動態上、人口が減少していきます。

 都心のような人が集まる地域では、エリアを細分化していくと人口が増えている地域もありますが、自社の店舗がある地域がどのような傾向にあるかを無視するわけにはいきません。

 自店エリアの人口が減少している場合は、『勝ち抜いていく』ことしなければ生き残れません。

 団塊世代の方々が定年退職し、団塊ジュニア世代の方が徐々に子育て卒業世代になっていきます。

 団塊ジュニア世代の方々の定年退職(その頃の制度がどうなっているかは分かりませんが)を迎える20年後から、更に激しい企業間競争を勝ち抜く必要があります。

 20年先だからと余裕でいたら現状の企業間競争も勝ち抜いていけません。


 私のコラムをお読みの皆様は、勝ち残っていくためのヒントを探すために読んで下さっていると思います。

 そこで今回は、勝ち方の法則である、ランチェスター戦略の基本編にある“3つの結論”についてお伝えします。

 ランチェスター戦略を聞いたことはあるが学んだことは無いという方は、これをきっかけにして頂ければ幸いです。
※私の師匠が、【ランチェスター戦略「弱者逆転」の法則」(日本実業出版社)福永雅文】を先日出版しました。
 この本は2005年に刊行されたものを、今の社会背景を踏まえて事例も刷新したものです。
 とても読みやすく分かりやすいので、学ぶきっかけになる書籍です。


 本題に戻ります。

 勝ち抜いていくには、『勝ち方の法則』という勝つ為の戦略を知り、これを駆使していく必要があります。

 右肩上がりの成長期であれば、勝ち方を知らなくてもそこそこは上げられますが、衰退期では弱いところからどんどん淘汰されていき、強いところが一人勝ちをしていく市場になっていきます。

 まずは勝ち抜いて上位に残ることが初めのステップになります。

 もちろん、上位の場合には1位になり、No.1を目指します。

 更にNo.1の地位にいる場合は、自らが顧客創造活動をしていくことが求められます。


 ランチェスター戦略の基本編にある“3つの結論”の前に、本来は基本的な強者と弱者の戦い方の違いなどをお伝えするべきですが、大切な考え方となるものが“3つの結論”なので、今回はこれを解説します。

 【3つの結論】

 『ナンバーワン主義(No.1主義)』

 ランチェスター戦略では、1位とNo.1を分けています。

 No.1は、2位との差を1.7倍以上離した状態となり、圧倒的な1位という解釈です。

 2位が逆転しにくい状態を目指します。

 弱者(2位以下は全て弱者)は、全体での戦いでは勝てないので、細分化して部分の戦いでNo.1を作っていく(勝っていく)各個撃破の戦い方になります。

 細分化した部分の一つでもNo.1になると、代名詞効果という「あのお店は○○がいいね!」というお客様の認知が作れます。

 この認知であり評価を活用して次の部分のNo.1を一つ一つ勝ち抜きながら上位を目指していきます。

 「あなたの会社(お店)でお客様に支持されている強みはなんですか?」

 そう質問されたときに答えられないか、考えてもいない場合は『勝ち方の法則』を学ぶ必要があります。


 『一点集中主義』

 No.1を目指す場合、ランチェスター第一法則の力関係を踏まえて部分の戦いを考える必要があります。

 戦闘力=武器性能×兵力数

 ランチェスター第二法則では、兵力数が2乗の効果を発揮するので、弱者は第一法則でのバトルフィールドにしなければなりません。

 一点集中主義とは、No.1を目指して勝っていく部分に兵力(量的な経営資源)を集中して、更に武器性能(質的経営資源で差別化)を高めて『敵との力関係で上回る』状態を作るものです。

 勝敗は、競合局面における敵と味方(自店)との力関係で決します。

 勝つ為には、勝つ状態を作るという価値方の法則になります。


 『足下の敵攻撃の原則』

 実際に仕掛けてお客様を奪う場合は、細分化して戦う部分を選択することが先決になります。

 その際に、上位(競争目標)から奪うよりも、下位(攻撃目標)からお客様を奪う方が『勝ち易きに勝つ』法則になります。

 競合局面によっては、さまざまな仮説が必要なもので、勝ち方の法則を知らない場合は勝てない戦いを仕掛けて自社や自店が疲弊するというケースが見受けられます。


 3つの結論を簡単に説明しましたが、『勝ち抜くには勝ち方の法則』を知る必要があるというものです。

 敵が勝ち方の法則を知っていて、より高度な差別化の戦略や攻撃を仕掛けてくる場合、勝ち方を知らなければ間違った戦い方をして重要な経営資源を浪費させられます。

 仕掛けるには資金が必要になることも多々あり、この資金とはお客様からしか頂けません。(借り入れは一時的なものです)

 シェアが重要な点は、シェアとはすなわちお客様なので当たり前のことです。


 競争戦略とマーケティングは本来は一体のものです。

 ただ、マーケティングを考えるときには必ず敵と味方の力関係というお客様から見た相対評価の『顧客視点』が重要です。

 自社や自店がどれだけ良いコトを届けても、他社がそれを上回る差別化価値を提供していたら勝てません。

 今回は、競争戦略を深めていくきっかけにして頂ければ幸いですが、是非とも勝ち抜いていきましょう!