第293回『今からすぐに人として魅力的になる方法』



<今日のポイント>

 人は理屈では動きません。

 人として好意となる魅力を心で感じるからこそ、一緒に行動したいと思うものです。

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 お相手にどんな価値ある体験を届けているか?

 人としての魅力の出発点になる大切なキーポイントがあります。

 今回のコラムでは、息子が中学生の頃に実践した事例を踏まえて、人が身につける必要がある魅力について書いております。

 これは、“コト視点の価値づくり”で自分が魅力的に成っていくためのエッセンスとなります。

 魅力的になる理屈と知識があるからこそ実践でき、その実践が人格となっていきます。

 素直に実践している方は、部下の育成や夫婦関係、子供との関係などで圧倒的な関係性向上の実績を出しているものです。

 たった3つのポイントが出発点です。

 ぜひお時間を作ってお読み頂ければ幸いです。

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 「学級崩壊のような感じになってるんだけど、どうしたらいいのかな~」

 かれこれ3年半前のことですが、中学生の息子から自分のクラスのことで相談されました。

 内容を聞くと、やんちゃな7人グループがいて、先生の言うことは聞かないし反発して授業中も授業ができない酷い状態になっているとのことでした。

 まあ・・・よくこんな状態になるまで学校も手を打てなかったのかと思いましたが、学校の先生もいろいろ苦心していることだと思います。


 息子に7人のことを細かく聞くうちに、おおよその7人グループの関係が見えてきました。

 結論は、一人のリーダー格が他の6人を巻き込んでいるだけで、6人に関しては便乗しているだけだと感じました。

 そこで息子に、

 「お前が正しい理屈を言ってもリーダー格のやつは聞かないよ。お前の言うことを聞くようにする関係性から作る必要があるけど、相手に迎合するのではなく、対等の立場か相手もお前に気を遣う関係で良い関係を作ることからだね。」

 当然ですが、中学生にこのような関係を意図的に作るための知識も技術もありません。

 ここで人間力が大事だというような話はしません。

 思いやりや優しさという魅力は、行動の結果としてお相手が感じるものです。

 思いやりを持って接しようと言っても、やんちゃな子たちに息子の知識や技術での思いやりをやったらなめられるだけです。

 人間力を高めることも、そうなる為の知識や技術があります。

 これは私の理論ではなく、大昔から先人がさまざまな教えを通じて残してくれているものです。


 余談ですが、躾(しつけ)というものは、その行動や習慣が本人は気付かなくても人間力を高めるものになるものです。

 例えば、明るく挨拶をするという習慣は、周囲の人から見れば明るい人格であり、前向きな人だと感じさせます。

 履物をそろえるという習慣は、自分の心を整えるとともに、それを見た人はしっかりした人だと感じます。

 このような知識や行動を知っているからこそ、人間力を高めていけます。


 話を戻しますが、人として人間関係を築くための3つのポイントを息子に伝えました。

 これはコンサルティングでも研修でもお伝えしているもので、実践すれば高い確率で成果がでます。


 3つのポイントとは、

1.受容

2.関心

3.承認

 です。


 『受容』とは、相手を受け入れること。

 『関心』とは、受け入れて相手に心を寄せて入り込むこと。

 『承認』とは、相手の存在を認めること。

 こびへつらうわけでもなく、相手のダメなところを嘘をついて褒めるわけでもありません。

 日常から、誰にでもできるものです。


 この実践はお相手にとっての体験価値として、『自分を受け入れ、興味を持ってくれて、自分の存在を認めてくれた』という、人が誰でも持っている根本欲求である『存在』を満たすものになるので、【好意】が気持ちとして生まれます。

 テクニックのように感じますが、このような知識や技術を知っているからこそ意図的に人間関係を良くしていけます。

 躾もそうですが、初めはカタチから入って実践しますが、この『受容・関心・承認』という考え方が自分の習慣となり身になれば、これはテクニックでなく人柄や人格となっていきます。

 人をだますために使うのではなく、良いことに使っていくものです。

 ハッキリ申し上げると、知識や技術は人をだますテクニックにもなります。

 包丁と同じで、良いことに使えば便利な道具ですが、危険なことにも使えます。

 今日のコラムをお読みの皆様は、この3つのポイントをご自身の魅力や組織活性化に是非活かしてください。


 そこで息子に、

 リーダー格の子が何かをやっていたら、近づいて話しかけ、それについて聞き、「面白いね~・凄いね・そんなこと知ってるんだ」などの会話からスタートするように伝えました。

 がんがん行くのでなく、さらっと自然に日常会話で。

 次に、他の6人にも同じように接して、自分と個々の人の関係を築いていくことを同時にやるように教えました。

 別に7人グループに迎合する必要はなく、それぞれと良好な関係を築けばいいし、ダメだったら無理しなくていいとも伝えたと思います。

 この話をして3ヶ月くらい、すっかり忘れていたのですが、ふと思い出して息子に状況を聞きました。

 「そういえば学校のやんちゃな子たちはどうなった?」

 「あっ!もう大丈夫」

 「大丈夫って、相談してきたんだからちゃんと報告しろよ」

 こんな会話から詳しく聞いてみると、

 教えたことをすぐに実践したら、リーダー格の子とは対等な関係で仲良くなり、リーダー格と仲が良くなった息子を見ている他の6人も良い関係になっていると。

 授業中など、先生に反抗するようなときは目配せして指摘すると、『分かってるよ』というような合図で静かにしているとのことでした。

 こんなに上手くやれた息子が凄いのですが、更に息子自慢があります。

 リーダー格の子と関係が良くなったせいか、その子の良いところを沢山知っていて、私に対してその子を褒める話を沢山してきました。

 受け入れて・関心を持って・いいところを認めれば、相手のことも深く知ることが出来ます。

 この好意という関係があるからこそ、注意をしても反発されず、素直に相手の言うことを聞くこともできます。

 夫婦関係が改善されたどころか、ラブラブ状態になったという例もありますが、今回は長くなるのでやめておきます。


 相手に求める前に、自分が実践して価値を届けるものは、自分の魅力になっていきます。

 知識や技術というものは、思いをカタチにするために欠かせません。

 橋を掛けて人を安全に川を渡らせたいという素晴らしい思いは、安全な橋を架ける知識や技術があって実現できます。

 今回の『受容・関心・承認』は、私のとっておきの考え方と方法です。

 組織活性化でも活かすことができ、特に自分の魅力に直結するものです。