第302回『コトの価値提案でモノを売る』



<今日のポイント>

 お客様がモノやサービスを利用するというのは、自分にとって価値を感じるから。

 なんの価値も感じなければ購入も利用もしません。

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 モノやサービスを売る工夫というのは、何を工夫すればいいのか?

 こんな疑問を持たれたことがあるかもしれません。

 今回のコラムでは、モノやサービスを利用してもらうときに、どんな視点で工夫をする必要があるかを書いております。

 ぜひお時間を作ってお読み頂ければ幸いです。

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 私が独立した頃、とても恥ずかしい思いをしたことがあります。

 コンサルタントとして活動するので、当然ですがクライアント様を探す必要があります。

 ご紹介を頂いてお会いして、自社のコンサルティングを利用してもらうためにご説明するという営業活動。

 自社のサービスでどんなメリットがあるのかを提案するのは当たり前ですが、11年前には上手く説明することが苦手でした。

 「武内さんのコンサルティングで何が出来るのでしょうか?」

 ごくごく当たり前の質問にしどろもどろでした。

 今思えば、あの頃の恥ずかしい経験があるからこそ今があります。



 友人の会社では落花生を販売しています。

 落花生というモノでも、お客様の体験価値の視点で見ていくと、いろんな商品開発や売り方の工夫が可能になります。

 こちらの商品でピーナッツを甘いお菓子でコーティングした商品があり、いろんな種類があるので『見て楽しい』というコト視点の価値があります。

 更に、売り場では、コップに好きな種類の商品を好きなように入れていけるので、『選ぶ時の楽しさ』というコト視点の価値も加わります。

 更に更に、私はお土産で子供たちに買って帰ったのですが、子供達がいろんな種類を試してワイワイやっている姿を見て、『買って帰って嬉しい』『もらって嬉しい』というコト視点の価値まである商品です。

 大ヒットの商品になっているそうです。


 モノやサービスというのは、お客様が何かの問題というコトを解決したり、求めるものを満たしたりする価値を感じなければ購入に至りません。

 コモディティ商品から高額な商品まで、モノやサービスの幅は広いのですが、基本的には何かしらのコト価値(体験価値)を求めています。

 携帯電話が欲しいのではなく、携帯電話で可能になる便利な生活という体験価値にお金を払います。

 当然ですが、ここには競合他社との競争があるので、自社の商品やサービスが他社よりも上回る価値の魅力が必要になります。


 私のクライアント様はパチンコ店が多いのですが、パチンコ店の売上はパチンコやスロット台から得ることになります。

 これは、お客様が自分にとって価値のある台(楽しい・面白い・ワクワク・自分に合う・・・)で遊んだ結果の売上です。

 パチンコやスロットをやったことが無い方は、お店に入っても何がなんだか分からないと思います。

 これが大問題で、興味を持ってお店に入っても【分からない】状態であれば、遊んでみようとも思いません。

 更に、パチンコやスロットの経験者でも、全ての機種を知っているわけではないので、知らない機種を見てもどんな楽しさがあるか分からない状態です。

 台上に機種名・確率・・・・などの表示がありますが、これでは『面白そう』というお客様にとっての価値は感じられません。

 台横に詳しい機種説明などがありますが、そもそも『面白そう』と感じていなければ詳しい説明は見ません。

 お店に入って面白そうな台が見つからなければ、パチンコをする価値が薄れていきます。

(パチンコに関するランチェスター戦略やコト視点の価値づくりは、遊技ビジネス最前線というサイトでコラムを書いております)


 モノやサービスを売るときは、“お客様が体験(コト)する価値の提案”が必須になります。

 これは新しい考え方ではありません。

 大昔からある考え方で、時代の変化に応じて価値提案の内容が変わるだけです。

 社会人になったとき、先輩方に「もっといろいろ遊んだ方がいい」と言われました。

 おそらく先輩方も言われてきたことだと思いますが、いろんな遊びの経験をすることで、お客様の体験価値を想像する力が養えるからです。

 自分が体験して楽しかった価値を感じたものは、お客様にとっての体験価値も想像できます。

 知らないものは、写真などを見て想像することすは出来ても、感情まで想像することはできません。


 自社の商品やサービスで、どんなコトの価値提案が出来るか?

 どんなコトがあると嬉しくなるのか?楽しくなるのか?問題が解決されるのか?

 モノやサービスを売るときの工夫は、お客様のコト視点での価値を考えるというものです。

 これはお客様だけでなく、人に対しては同じことで、組織で頼りにされるには、そうなる体験価値をお相手に届けるからです。

 価値を届けると、それは届けた人(会社)の魅力になります。